活動理由
私が精子提供を始めたきっかけは、報道で提供活動のことを知り、自分も役に立てそうだと考えたからです。
そして、現在では以下のような考えがあり、この活動を続けています。
まず、日本の医療機関で公的に行われている第三者の精子を用いた治療については、十分な制度とは思えません。利用できる対象者が限定されていて、出自を知る権利の保障も十分ではなく、他にも多くの問題点があると思うからです。
現在、日本の医療機関で公的に行われている第三者の精子を用いた治療は、男性不妊の夫婦のみが対象だとされています。そして、ドナーについては血液型しか選べず、父親に似ているドナーや、第2子以降で同じドナーを選択することはできません。また、凍結精子を用いた人工授精が主であり、この方法の妊娠率は一般的にかなり低いです。そして、出自を知る権利の制度化が議論され始めてから、受け入れを中止している医療機関もあるようです。しかし、もし想定されているような法律が成立しても、出自を知る権利は十分ではありません。この権利が不十分だと、生まれた子どもが生涯に渡って自分の出自について知ることができず、苦悩し続ける可能性があります。
また、FtM(トランス男性)のご夫婦については、受け入れてくれる医療機関を見つけるのが大変だというお話をされる方も多いです。
そして、同性カップルや選択的シングルマザー希望の方については、現在の社会制度では想定すらされていません。
しかし、私はこのような状況の中でも、子どもを望む方々の願いが叶い、出自を知る権利が保障されるべきだと考えています。そのため、私にできる活動としてボランティアでの精子提供を行っています。
そして、私は信頼して提供を受けていただけるようなドナーでありたいと考えています。
私は自分が性感染症にならないためにも、性行為での提供は一切行っていません。また、信頼性や安全性にも関わるので、氏名を開示して、運転免許証や各種検査結果、大学の卒業証明書などを提示しています。そして、出自を知る権利を保障するためにも、電話番号を含む複数の連絡先をお伝えいたします。
提供を検討されている方との面談では、他のドナーについてのお話を聞くこともあります。その中には、性欲を満たすために活動していて、提供を受ける方のことを考えていない悪質なドナーもいます。例えば、性行為を強要したり、夫のみでの対応を希望しても妻との接触を望んだり、などです。そして、タイミング法(実際の性行為)での提供をしているドナーから、性感染症を移されそうになった方もいました。また、氏名の開示を行わないドナーも多いようです。